ごあいさつ

このたび多くの方々の御縁により知杜クリニークを開設させていただくことになりました。当施設についてご説明させていただきます。

名称について

知杜(ちもり)という聞き慣れない名称に疑念を持たれる方も見えると思います。現在、ヒト(ホモ・サピエンス)という種族は地球上に大繁栄していますが、これは「知」を共有し、何万年もにわたり、世代を通じて「知」を受け継ぎ、蓄積したことによると考えられています。最近の研究の成果では体力的に勝っていたネアンデルタール人は、我々よりも「知」の共有という点で劣っていたことが滅亡する一因になったともいわれています。知の進歩によりそれまで治らなかった病気が治るようになったという事実は枚挙にいとまがありません。最近の最大の話題は本庶博士の研究による「オプジーボ」でしょう。 一方で最近の日本社会ではマスコミやインターネットで健康や病気に関する情報が乱れ飛んでいます。中には不正確な情報もかなり多く見られ、不正確な情報により困惑しておられる方もしばしば見受けられます。正確な医療情報か否かを一般の人が判断するのはかなり困難なことも事実です。このような状況の中で、一般内科あるいは健康増進の分野で、正確な「知」の「杜」を築きたいという願いを込めて、「知杜」としたものです。正確な医療情報を提供していきたいと思っています。 さらに、「クリニーク」は聞き慣れない言葉で、「クリニック」の間違いではないのですかと質問されることがあります。クリニックは英語の「Clinic」の音をカタカナにしたものですが、「クリニーク」はドイツ語の「Klinik」の音から来ています。「Clinic」や「Klinik」には専門病院という意味合いもありますが、現在の我が国では診療所という意味でつかわれていることが多いようです。私はドイツのRuhrlandklinik(ルールラント呼吸器専門病院)に留学していたこともあり、専門性を持った医療施設というニュアンスを込めて「クリニーク」という名前をつけさせていただきました。

開設の理念

これまでの病院は病気を治すための施設というイメージが強いと思いますが、将来的には「病院」は「健院」であるべきと考えています。すなわち、かかってしまった病気を治すだけでなく、積極的に病気にならないような健康な生活を目指して、病気になる前から健康を維持するための正しい知識を楽しく提供することを目指しています。言わば「健康の遊園地」を目指しています。

健康診断

健康増進法の制定もあり、会社での健診は充実してきています。しかし、会社に勤めていない人(多くの女性)は健診の機会が少なく、受診率が低くなっています。一般に病気は早期発見が重要ですが、健診は早期発見に役立つことが多く、晴雨も健診の普及に力を入れています。この点から、当院では健診部門を外来部門と分けて設定しています。 たとえば、女性の癌の部位別死亡率は1位が大腸癌で2位が胃癌です。これらの癌は早期に発見できれば治癒する可能性が高い病気です。 しかし、早期のうちは症状が発見されることが少なく、手遅れになることもしばしば見られます。胃カメラ、大腸カメラなどの検査が有用な方法ですが、検査に恐怖心や不快感を持たれている方もおられます。当院では女性に優しい医療も重要なことと考え、内視鏡検査では女性専用の待合室を用意しました。将来的には女性医師による検査態勢を構築しようとしています。 また、男性の癌は肺癌が死因のトップです。数十年前に始まった結核健診を肺癌健診に応用し、胸部X線撮影と痰検査で肺癌の発見が行われてきていますが、早期の癌を発見するにはまだ不十分なことも事実です。このため、低線量CTによる肺癌健診が早期癌を発見するには有用であることが分かってきました。しかし、公的補助がないので、普及はまだ不十分です。 しかし、低線量といえどもCTでは放射線被爆という負の側面があります。当施設ではさらに進んだ健診方法としてMRIによるDWIBS(ドゥイブス)健診を進めることを計画しています。これは年に2-3回MRIを撮ることにより、放射線被爆なしで全身の異常を発見しようとするもので、最先端の方法です。このような健診の普及による病気の早期発見を目指しています。

外来診療

外来診療は、呼吸器疾患の診療を中心として一般内科の診療を行います。説明を十分にして納得して治療していただけるように心がけています。 また、サルコイドーシスや間質性肺炎といった特定疾患(難病)の診療にも経験が豊富です。

高度機能の検査

現在、大病院には患者が集中し、CTやMRIなどの検査が混雑し、予約待ちの状態が多くの病院でみられます。当院はCTとMRIを設置し、大病院の受け皿としての機能も備えています。
 

クリニーク長 森下 宗彦